(仮訳)分子および形態のデータから推定されたアジア産の新属Pseudoaustroboletus
Li, Y-C. et al., 2014. A new genus Pseudoaustroboletus (Boletaceae, Boletales) from Asia as inferred from molecular and morphological data. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-1011-1 [Accessed January 28, 2015].
【R3-01506】2015/01/28投稿

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3行まとめ

分子系統解析で独自の系統を形成したTylopilus valens(およびその変種)に対して新属Pseudoaustroboletusを提唱した。
複数遺伝子に基づく分子系統解析で本属はイグチ科クレードに含まれ、Chamonixia属およびLeccinum属と近縁であることが示された。
本属は形態的には桃色系の子実層托、柄の網目模様、担子胞子が平滑であること、シスチジアの色、傘表皮の構造と色などで他のイグチ類の系統と区別された。

(新組み合わせ)

Pseudoaustroboletus valens (Corner) Yan C. Li & Zhu L. Yang
ホオベニシロアシイグチ
旧名:Tylopilus valens (Corner) Hongo & Nagas.(基礎異名はBoletus valens Corner)
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【よく似た種との区別】
Pseudoaustroboletus valens var. macrosporus
マレーシアおよびシンガポールに分布する
肉眼的形態が同一
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より傘表皮の菌糸の幅が比較的狭い
Chamonixia caespitosa
nrLSU+EF1-α+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が類白色
本種と異なり子実体が傘と柄を有するのではなく球形
本種と異なり外皮が傷つくと青変する
本種と異なり担子胞子に縦方向の畝を有する
nrLSU+EF1-α+mtSSUおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leccinum holopus
中国に分布する
nrLSU+EF1-α+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層托が桃色系になることがない
本種と異なり柄の表面が網目状ではなく粗い疣状
nrLSU+EF1-α+mtSSUおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Leccinum manzanitae
中国に分布する
nrLSU+EF1-α+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層托が桃色系になることがない
本種と異なり柄の表面が網目状ではなく粗い疣状
nrLSU+EF1-α+mtSSUおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Pseudoaustroboletus valens var. macrosporus (Corner) Yan C. Li & Zhu L. Yang
旧名:Tylopilus valens var. macrosporus (Corner) E. Horak(基礎異名はBoletus valens var. macrosporus
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【よく似た種との区別】
Pseudoaustroboletus valens(ホオベニシロアシイグチ)
マレーシアおよびシンガポールに分布する
肉眼的形態が同一
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より傘表皮の菌糸の幅が比較的広い